アフターピルや中絶の権利のニュースを見ると、フィリピンで出会った孤児たちのことを思い出す
少し前に、アメリカの法律改定で話題になった中絶の権利についてのニュース。アメリカ多くの州で中絶が禁止されました。
日本でも、アフターピルが市販で買えるよう検討しているという状況でしばらく議論をしています。
このような、ニュースを聞くたびにフィリピンでのボランティア活動を思い出します。
フィリピンのボランティアツアーに参加した時の出会い
私が大学生の頃(10年以上前)、マニラへ10日間ほどボランティアツアーに参加しました。
とても充実した10日間で、当時の私(20歳)にとっては、もしかしたら人生で1番自分の価値観がぐちゃぐちゃになった経験だったかもしれません。
そのツアーの中で、慈善団体が建てた病院への慰問というのがあったのですが、(施設名を忘れてしまいました…)
その病院へ行く途中に、現地のツアーガイドさんから聞いたお話を思い出しました。
「その病院の患者は、ほとんどが身寄りのない人たち。
患者の多くが子供です。また、身体が大きくても、親に育てられたわけではないのでとても愛に飢えていて幼いです。
中には赤ん坊の時から入院して、今もずっと入院しているという人もいます。
できるだけ笑顔で接してください」
宗教上の理由
ガイドさんは追加で説明をしてくれました。
「フィリピン人のほとんどがカトリック教徒です。カトリックでは、避妊や中絶を禁忌としています。
そして貧しい家庭の女性は、違法ですが売春婦になることしか道がない(と教わる)人もいます。
ですが、そんな彼女たちもカトリック教徒。
本人が避妊に躊躇してしまったり、それに漬けこんで避妊をせずに性行為を強要してくる外国人観光客も。
そして、望まぬ妊娠をしてしまう。
妊娠をしたことによって、父親にあたる外国人と結婚し、一緒に貧しさから逃れられると希望を持っている人もいますが、多くの外国人は妊娠を知っても関係ないと自国へ戻ってしまう。
妊娠したら仕事は続けられない。
子供が産まれても育てられる経済力も環境もない。
さらにフィリピンでは、中絶が違法。
そうなると、母親になったその女性は、お金がかからない方法で自力でお腹の子と一緒に、死のうとします。
自傷行為をしたり、アルコールやタバコを大量に摂取したり。
しかし、時間がたって大きくなったお腹からは意と反して子供が産まれます。
そんな産まれてくる前から傷つけられた子供は、多くが病気を患ってうまれてきます。
母親は、産まれてきた子供を殺すことはさすがにできない。
でも、自分で育てられない。
そして、この病院に預けるのです。
そんな子供たちがここの病院にいる患者のほとんどです。」
宗教の自由がある日本なのに
フィリピンと比べると、日本って宗教の自由はかなり強く自称"無宗教"の方が多い国。
先進国の多くは、薬局などで緊急避妊薬がすぐにアクセスできる状況です。
そんな中、日本では「転売の可能性」「コンドームの使用率低下」などを懸念していまだに必要なタイミングでのアクセスが難しい状況です。
日本って先進国でしたよね?
このようなネガティブなニュースを聞くたびに、なぜかフィリピンで入院していた子供たちを思い出してしまいます。
望まない妊娠をしてしまった女性や、産まれてくる子供・母体のためにも助けになるような選択肢が増えればいいと切に願っています。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
*フィリピンの状況については、10年ほど前の体験談です。