「あと一杯」は、多い?
朝のコーヒーに、昼のお茶。もう一杯飲みたくなったとき、「今日はカフェインをとりすぎていないかな」と気になることはありませんか。
一日にとってよい量を知っておくと、いつもの飲み方を振り返る手がかりになります。ただ、カフェインの量を「mg」で言われても、すぐには想像しにくいですよね。
コーヒーなら、何杯くらいなのか。お茶も飲む日は、どう考えればよいのか。一日の目安を、身近な飲み物に置き換えて見てみましょう。
1日400mgは、コーヒー何杯分?
妊娠中・授乳中を除く健康な成人では、1日400mgまでが一つの目安です。欧州食品安全機関(EFSA)は、一日を通してとるこの量までなら、一般に健康上の懸念は生じないと評価しています。1
では、400mgをコーヒーに置き換えてみましょう。小さめのカップ1杯を150mLとすると、カフェインは約90mg。4杯なら約360mg、5杯なら約450mgになります。3
※1杯150mL・約90mgとして、一日分を換算した例です。
つまり、1日400mgは、小さめのコーヒー4杯で近づく目安です。数字だけではつかみにくくても、カップを並べると量の感じが見えてきます。
これは一日を通した合計の話。一度にとる量は別で、EFSAでは1回200mgまでと評価しています。400mgを一度に飲んでよい、という意味ではありません。1
また、毎日400mgまで飲むことを勧める数字でもありません。いつもの量が目安にどのくらい近いかを考える、手がかりとして捉えてみましょう。
同じ「一杯」でも、量は変わる
ここで思い浮かべたいのが、普段使っているカップです。先ほどの150mLより大きい、300mLのマグで飲んでいる場合はどうでしょう。
同じ濃さのコーヒーなら、1杯のカフェイン量は約180mg。300mLのマグなら、2杯で約360mgになります。小さめのカップ4杯と、同じ量です。3
たとえば、朝と午後に大きなマグで一杯ずつ。それだけでも、400mgという一日の目安に近づく計算です。「小さめなら4杯、大きめなら2杯」と、サイズも一緒に思い浮かべるとわかりやすくなります。
さらに、豆や茶葉の種類、使う量、いれ方でも濃さは変わります。表の数字は、いつもの一杯を考えるための参考値。すべてのカフェや市販品に、そのまま当てはまる値ではありません。36
飲み物別のカフェイン量早見表
身近な飲み物を、飲む量とセットで並べました。コーヒーと多くのお茶は、比較しやすいよう150mLにそろえています。玉露と抹茶は、資料のいれ方に合わせた量です。3
- コーヒー150mL
- 約90mg
- インスタントコーヒー粉末2gを使用
- 約80mg
- 紅茶150mL
- 約45mg
- せん茶150mL
- 約30mg
- ほうじ茶150mL
- 約30mg
- ウーロン茶150mL
- 約30mg
- 玄米茶150mL
- 約15mg
- 玉露60mL
- 約96mg
- 抹茶粉末1.5gを湯70mLに溶かす
- 約48mg
- エナジードリンク等1本(容量は製品による)
- 50〜170mg※
※エナジードリンク等の数値は、農林水産省が2026年7月に調べた市販12製品の範囲です。すべての製品がこの範囲に収まるわけではありません。4
同じ150mLなら、紅茶はコーヒーの約半分、せん茶は約3分の1の量です。コーヒー以外の飲み物にも、カフェインは含まれています。
一方、表の玉露は、少量の湯に多くの茶葉を使う条件の数値。「お茶ならどれも少ない」と一括りにはせず、量と作り方も合わせて見ると違いがわかります。
インスタントコーヒーや抹茶のように粉末を使う場合は、粉の量が手がかりです。同じ量の粉にお湯だけを足しても、全部飲めば、とるカフェインの総量は変わりません。
一日の飲み物を、並べてみる
今度は、一日で飲んだものを並べてみましょう。表と同じ濃さで、150mLのコーヒーを3杯、紅茶を1杯飲んだとすると、合わせて約315mgになります。
そこにコーヒーをもう一杯足すと、約405mg。コーヒーだけなら4杯で約360mgでも、お茶と合わせると400mg前後になります。3
※表の濃さを仮定した、一日分の例です。
400mgは、コーヒーだけの量ではなく、お茶や他の飲み物も合わせた一日分の目安です。コーヒーを何杯飲んだかに、ほかに飲んだものも重ねると、いつもの一日が見えてきます。
市販品なら、カフェインの「1本当たり」の表示も手がかりになります。「100mL当たり」の表示は一本分ではないので、飲む量と合わせて確かめます。4
チョコレートやサプリメントなどに含まれる分も、食事全体の合計に関わります。カフェイン入りの薬もあるため、薬との組み合わせは添付文書や医師・薬剤師への確認が必要です。6
400mgを、そのまま当てはめない場合
妊娠中・授乳中については、EFSAでは1日200mgまでを、胎児や母乳を飲む赤ちゃんへの健康上の懸念が生じない量と評価しています。大人の400mgという目安を、子どもへそのまま使うこともできません。5
また、カフェインへの敏感さには個人差があります。目安より少なくても、寝つきにくさや動悸、不安感が出る人もいます。持病や服用中の薬がある場合の量は、一般的な数字だけでは判断できません。6
飲む時間も関わります。EFSAは、寝る時間に近いと、100mgでも一部の成人の睡眠に影響しうるとしています。1
「一日の目安以内」と「自分の体や眠りに影響しない」は、別のこと。数字には、誰が、どのくらいを、いつ飲むのかという条件もあるのです。
日本でも、こうした個人差などから、一律の「一日摂取許容量」は設定されていません。2
1日400mgは、小さめのコーヒー(150mL)4杯で近づく目安。お茶も飲む日には、その分も一日の中に入れて考えてみましょう。