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記事: カフェインとは何か?身近な成分の正体と、眠気との関係

カフェインとは何か?身近な成分の正体と、眠気との関係 | Règles よみもの
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COLUMN
01

カフェインの基礎知識

カフェインとは何か?身近な成分の正体と、眠気との関係

約5分で読めます/カフェイン

カフェインで「シャキッとする」のは、なぜ?

朝、まだぼんやりした頭で飲むコーヒー。午後、もうひと頑張りしたいときに開けるエナジードリンク。カフェインと聞くと、眠気覚ましや、元気・やる気が出るイメージがありますよね。

「飲むとシャキッとする」。そんな言葉で表される感覚ですが、体の中では何が起きているのでしょう。

その鍵になるのは、意外にも眠気の仕組みです。カフェインは、眠気に関わる合図のやり取りに入り込みます。まずは、この身近な成分の正体から見てみましょう。

カフェインは、もともと植物に含まれる成分

カフェインは、コーヒー豆や茶葉、カカオ豆などに、もともと含まれている成分です。コーヒーだけのものではなく、紅茶や緑茶、チョコレートにも含まれています。1

コーヒーの成分、と聞くとコーヒー専用の何かのように思えますが、紅茶のカフェインも、緑茶のカフェインも、物質としては同じもの。香りや味が違う飲み物の中に、共通の成分が入っているわけです。

コーヒー豆
茶葉
カカオ
違う植物に、共通する成分。

一方、エナジードリンクなどには、原料にもともと含まれる分とは別に、カフェインを加えているものもあります。植物の中にあったものも、製品に加えたものも、カフェインとしての基本的なはたらきは同じです。2

では、その成分が体に入ると、どうして目がさえるのでしょう。ここで、カフェインが関わる「眠気の合図」の話につながります。

起きている間に、眠る準備は進んでいる

一日を過ごして、夜になるとまぶたが重くなる。その背景には、起きている間に脳の中で増えていく、ある物質があります。「そろそろ眠ろう」と知らせる合図のようなものです。3

この物質は、ただそこにあるだけで仕事が終わるわけではありません。脳の細胞にある「受け取り口」に結びつくことで、眠りへ向かうはたらきに関わります。

少しイメージしやすくするために、その受け取り口を「いす」にたとえてみましょう。眠気を知らせる物質がそこに座ると、「そろそろ眠ろう」という合図が伝わり、私たちは眠くなります。

物質が増えるいすに座る合図が伝わる
眠気の合図のイメージ。いすは「受け取り口」のたとえです。

起きている時間が長くなるほど、いすに座ろうとする物質が増えていきます。座る物質が増えるにつれて、眠気の合図も強まっていく。そんなイメージです。一日を過ごすうちにだんだん眠くなる背景には、この変化があります。眠っている間には、その物質は減っていきます。3

もちろん、眠くなる理由はこれ一つではありません。体内時計なども関わります。ただ、カフェインのはたらきを知るうえでは、この「合図を伝える物質」と「受け取る場所」の組み合わせが鍵になります。

カフェインは、眠気の合図に割り込む

ここに登場するのがカフェインです。カフェインも、眠気の合図を受け取る場所に結びつくことができます。さきほどのたとえでいえば、同じいすに座れるのです。

ただし、カフェインが座っても、同じように「そろそろ眠ろう」という合図を伝えるわけではありません。しかも、そのいすが埋まっている間は、眠気を知らせる物質が座りにくくなります。

その結果、合図が届きにくくなり、眠気が和らぐ。これが、カフェインで目がさえる仕組みの中心です。4

二つの場面を並べると、こんな違いがあります。

FIG. 01受け取り口の様子 / 合図の流れ

眠気を知らせる物質が座る

受け取り口に結びつく眠気の合図が伝わる

カフェインが座る

眠気を知らせる物質が結びつきにくい合図が伝わりにくくなる

※「いす」は、仕組みを簡略化したたとえです。

ポイントは、眠気を知らせる物質そのものが消える、という話ではないこと。その物質が合図を伝えようとする場所に、カフェインが割り込んでいるのです。

最初の「シャキッとする感じ」に戻ると、その中身を考える手がかりが見えてきます。眠気が和らぎ、目がさえる。「元気が出る」「もう少し頑張れそう」といったイメージをひもとくとき、まず押さえたいのが、この眠気の感じ方の変化です。5

同じ一杯でも、感じ方は人それぞれ

仕組みは共通していても、感じ方まで同じとは限りません。同じ量のカフェインをとっても、あまり変化を感じない人もいれば、目がさえて寝つきにくくなる人もいます。

カフェインへの敏感さや、体から抜けていく速さには個人差があります。そのため、同じ量でも変化の強さや続き方が違うのです。2

また、「一杯」は量をそろえる言葉としては、少しあいまいです。カップの大きさや飲み物の種類、作り方によって、含まれるカフェインの量も変わります。同じ「コーヒーを一杯飲んだ」でも、入っている量と、受け取る体の両方に違いがあります。2

あの「シャキッとする感じ」の裏側には、眠気の合図に割り込むカフェインのはたらきがあります。

注釈・出典

  1. カフェインは「アルカロイド」の一種で、詳しくは「メチルキサンチン類」に分類されます。ポリフェノールの一種ではありません。分類は NIH/PubChem「Caffeine」、含まれる植物・食品は EFSA「Caffeine」 を参照。 ↩

  2. 自然に含まれるカフェインと添加されたカフェイン、含有量の違い、反応や排出速度の個人差については FDA「Spilling the Beans: How Much Caffeine is Too Much?」 を参照。 ↩1 ↩2 ↩3

  3. 本文の「眠気を知らせる物質」はアデノシン。起きている間に脳内で増え、睡眠への欲求に関わります。睡眠には体内時計なども関わります。参照:NIH/NHLBI「What Makes You Sleep?」。 ↩1 ↩2

  4. 「受け取り口」はアデノシン受容体のこと。カフェインはそこに結びつき、アデノシンのはたらきを妨げます。「いす」はこの関係を簡略化したたとえです。参照:NIH/NHLBI「Your Guide to Healthy Sleep」 の「What Disrupts Sleep?」。 ↩

  5. 「シャキッとする」は、眠気が和らぎ、目がさえる変化を身近な言葉で表したものです。やる気が必ず増すという意味ではありません。カフェインと覚醒・眠気の関係は EFSA「Caffeine」 を参照。 ↩

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