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記事: カフェインを減らすと、体に何が起きる? 数日で出る変化と、数週間かけて減らした研究

カフェインを減らすと、体に何が起きる? 数日で出る変化と、数週間かけて減らした研究

カフェインを減らすと、体に何が起きる? 数日で出る変化と、数週間かけて減らした研究 | Règles よみもの
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RÈGLES / よみもの17

カフェイン・減らす

カフェインを減らすと、体に何が起きる?数日で出る変化と、数週間かけて減らした研究

読了の目安:約5分

いつもの量を減らすと、体はどうなる?

毎日飲んでいるコーヒーを、少し減らしてみようと思うことはありませんか。いつもの習慣を変えるとなると、急に減らしても大丈夫なのか、気になるところです。

習慣的にとっていたカフェインを減らしたり、やめたりすると、一時的に頭痛やだるさが出ることがあります。こうした不調がどのくらい続くのかは、減らす前に知っておきたいことの一つです。

では、一度にやめる場合と、少しずつ減らす場合で、体の反応はどう違うのでしょうか。症状が出る時期や続く長さを確かめながら、数週間かけて量を減らした研究を見ていきます。

一度にやめると、頭痛やだるさが数日から1週間あまり続くことがある

カフェインをやめたときの変化として確かめられているのは、頭痛、疲れやだるさ、眠気、集中しにくさ、気分の落ち込み、イライラ、頭がぼんやりする感じなどです。1

こうした変化は、毎日のカフェインに体が慣れていたことと関わると考えられています。なぜ頭痛やだるさが出るのかは、第6回「『カフェイン離脱』って何?やめると頭痛がする理由」で詳しく説明しています。2

ただし、全員に出るわけではありません。実験研究で頭痛が出たのは約半数、強い苦痛や、生活に支障が出るほどの不調があったのは13%でした。アメリカ食品医薬品局(FDA)も、カフェインをやめたときの変化は、危険とは考えられていないものの、不快なことがあると説明しています。13

一度にやめた場合、症状はふつう半日から1日ほどで始まり、1〜2日ごろに最も強くなり、2〜9日続くとされています。1

症状が出始めるまでの時間や続く日数には、個人差があります。人ごとの経過を示した少数の研究では、始まりが早い人で6時間後、遅い人で43時間後でした。頭痛が21日まで続く可能性を指摘した研究もあります。1

大きく減らすほど、変化は出やすい

変化の出方には、それまでとっていた量と、減らした幅が関わります。

ふだんの量が多いほど、症状は出やすく、強くなる傾向があります。ただし、1日100mgをやめたときにも、症状が出たと報告されています。1100mgは、小さめのカップ(150mL)のコーヒー1杯より少し多い量です。4

減らした幅を比べた試験もあります。1日300mg(3杯あまり)をとる状態に慣れた人たちが、200mg、100mg、50mg、25mg、0mgの量をそれぞれ試しました。200mgに減らしたときは症状がはっきりせず、100mg以下まで減らしたときに現れました。5

この試験では、減らした後の摂取量が少ないほど、症状の種類が増え、程度も強くなりました。一方で、25mgまで減らしたときでも、はっきりした頭痛は出なかったとされています。15

いずれも、300mgに慣れた人たちを調べた1つの試験の結果です。「この量までなら大丈夫」という線を示したものではありません。

ふつうのコーヒーをデカフェに替えることも、とるカフェインを減らすことにあたります。3研究でも、コーヒーをデカフェに置き換えてカフェインを減らしたときに、頭痛などの変化が報告されています。1

数週間かけて少しずつ減らした試験もある

では、一度にではなく、少しずつ減らすとどうでしょう。FDAは、毎日カフェインを含む飲み物をとっている人が量を減らしたい場合には、少しずつ減らすのがよいとしています。3

実際に少しずつ減らした試験では、摂取量や症状について何がわかったのでしょうか。カフェインのとり方に悩み、減らす手助けを求めた人たちが、担当者から1時間の説明を受け、冊子を持ち帰って、5週間かけて量を減らしました。6

手順は、1週目にもとの量の75%まで、2週目に50%、3週目に25%、4週目に12.5%。5週目は、カフェインが15mgを超えるものをとらず、1日50mg未満にする、というものでした。説明を受けた人たちでは、とる量がはっきり減り、その後も1年後まで、摂取量の明らかな増加は見られませんでした。6

Fig. 015週間かけて減らした試験で使われた手順
はじめもとの量
100%
1週目もとの量の
75%まで
2週目もとの量の
50%まで
3週目もとの量の
25%まで
4週目もとの量の
12.5%まで
5週目割合ではなく量で
カフェインが15mgを超えるものをとらず、1日50mg未満に

同じゼロ起点・同じ縮尺。1〜4週目は、もとの量に対する上限の割合です。減らすことを選んだ人がこの手順をどう使ったかは、確認できた範囲には書かれていません。対象は、1日平均約670mgをとり、減らす手助けを求めた人たちで、減らしているあいだの症状は測っていません(注釈6)。

別の試験では、説明の冊子だけを使い、6週間かけて減らしました。この試験でも、冊子を受け取ってから7週後(終了時)と、終了から20週後には、開始前より摂取量が減っていました。7

どちらの試験も、カフェインを減らしたいと望む人たちが参加しました。参加者の平均摂取量は1日650mgを超え、小さめのカップのコーヒーで7杯あまりに相当します。ただし、摂取量が減ったことと、不調が軽くなったことは別です。5週間の試験では、減らしているあいだの症状は測っていません。46

少しずつ減らすと頭痛やだるさが軽くなるのかは、まだはっきりしていません。5日かけて減らした組で、症状がほとんど報告されなかった予備的な試験はありますが、統計的な比較は示されていません。研究をまとめた報告は、少しずつ減らすことが症状にどう関わるかを、これから調べるべき点としています。81

一度にやめたときに症状が続く期間は、ふつう2〜9日です。一方、試験で設けられた5〜6週間は、段階的に量を減らすための期間です。症状がその間ずっと続いたという意味ではありません。

Fig. 02症状が続いた日数と、試験で減らした日数
一度にやめたとき症状が続いた日数
ふつう2〜9日
5週間の試験減らす手順の日数
35日
6週間の試験減らす手順の日数
42日

同じゼロ起点・同じ縮尺。1行目は、研究をまとめた報告にある、症状が続いた日数です(少なくとも2日を塗り、9日までの幅を網掛けで示しています)。2・3行目は、減らす手順として組まれた日数です(注釈1・6・7)。5週間の試験では、減らしているあいだの症状は測っていません(注釈6)。

また毎日とると、数日でふたたび慣れる

減らしたあとに、また毎日とるようになった場合はどうでしょう。

ふだんカフェインをとっていて、7日間とらずに過ごした人たちが、1日300mgを、1日・3日・7日・14日続けてとった試験があります。1日だけとってやめたときは、症状は見られませんでした。3日続けたあとにやめると症状が現れ、7日・14日続けたあとは、いくらか強くなりました。51

しばらくとらずにいたあとでも、また毎日とるようになれば、体は数日のうちに、ふたたびカフェインに慣れていくことがあります。

減らしたときの不調は、数日かけて落ち着く。
でも、一度に大きく減らすほど出やすい。

注釈・出典

  1. Juliano LM, Griffiths RR. A critical review of caffeine withdrawal: empirical validation of symptoms and signs, incidence, severity, and associated features. Psychopharmacology. 2004;176(1):1–29. 57の実験研究と9つの調査をまとめた総説(要旨と論文全文で確認)。要旨では、確かめられた10の症状(頭痛、疲れ、元気の低下、覚醒の低下、眠気、満足感の低下、気分の落ち込み、集中しにくさ、イライラ、頭がぼんやりする感じ)、実験研究での頭痛の発生50%、強い苦痛や生活に支障が出るほどの不調(clinically significant distress or functional impairment)13%、開始12〜24時間・ピーク20〜51時間・持続2〜9日、1日100mgでも症状が出たこと、量が多いほど症状が出やすく強い傾向を示しています。本文の「半日から1日ほど」「1〜2日ごろ」は、開始とピークの時間を日常の言葉で丸めたものです(第6回と同じ言い方)。論文の全文では、人ごとの経過を詳しく示した少数の研究(「In the few studies that provided detailed time-course information for individual subjects」)での6時間・43時間、頭痛が21日まで続く可能性を示唆した研究(Richardsonら、1995年)、コーヒーをデカフェに置き換えた研究(Höfer・Bättig、1994年では、デカフェの期間に頭痛などが増えた。Dewsら、1999年)、少しずつ減らすことの症状への影響は今後の課題であることを述べています。ふだんの量より少ない量に替えた Evans・Griffiths(1999年)の試験については、本文で「When lower caffeine doses are substituted for the usual maintenance dose, withdrawal severity increases as the substituted dose decreases」、表のこの試験の行で「the range and magnitude of withdrawal symptoms increased as a function of decreasing doses of caffeine」とし、25mgでも、はっきりした頭痛が避けられたとしています。デカフェに置き換えた研究と Richardsonら の研究は、この総説の記述で確認したもので、元の論文は読んでいません。同じ総説は、自分で申告した摂取量と症状との関係は弱く、関係が見られなかった研究もあるとしています。 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9

  2. 仕組みの説明と出典は、このシリーズの第6回(注釈3〜5)にあります。注釈1の総説は、毎日とることで、体内のアデノシンという物質への反応が強まることが、その生物学的な土台として考えられているとしています。 ↩

  3. FDA「Spilling the Beans: How Much Caffeine is Too Much?」(2024年8月28日更新)。「If you're used to drinking caffeine-containing beverages every day, and want to cut back, it's best to do so gradually. Caffeine withdrawal isn't considered dangerous but can be unpleasant.」「Decaffeinated coffees and teas have less caffeine than their regular counterparts, but still contain some caffeine.」 ↩1 ↩2 ↩3

  4. 農林水産省「カフェインの過剰摂取について」(令和8年8月28日更新)。コーヒー浸出液は日本食品標準成分表2020(八訂)の値で、100mLあたり60mg(粉末10gを熱湯150mLで淹れた場合)。150mLで約90mgとし、100mgは1杯より少し多い量、300mgは3杯あまり(約3.3杯)、650mgは7杯あまり(約7.2杯)という換算は、同じ濃さを仮定した計算です(このシリーズの第2回・第16回と同じ条件)。 ↩1 ↩2

  5. Evans SM, Griffiths RR. Caffeine withdrawal: a parametric analysis of caffeine dosing conditions. Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics. 1999;289(1):285–294. 健康な参加者の別々のグループで行った、4つの二重盲検の試験(要旨のみ確認)。要旨では、ふだんの量を100・300・600mgにそろえた2つめの試験で、量が多いほど症状の範囲と強さが増え、100mgでもはっきりした離脱の症状が出たこと、300mgに慣れた人が200・100・50・25・0mgの量をそれぞれ試した3つめの試験で、症状が出るには100mg以下への大きな減量が必要だったこと、1日300mgを1・3・7・14日とった4つめの試験で、3日とっただけでも離脱の症状が出て、7日・14日ではいくらか強かったことを示しています。3つめの試験で量を少なくするほど症状の種類と強さが増えたこと、100mgで疲れやだるさが出たこと、25mgで、はっきりした頭痛が避けられたこと、4つめの試験の参加者が、ふだんカフェインをとっていて前の7日間とっていなかった人たちだったこと(「caffeine consumers who were caffeine abstinent for 7 days」)、1日だけとったあとでは離脱の症状が見られなかったこと(「no withdrawal effects after a single day of exposure」)は、注釈1の総説の記述によります。 ↩1 ↩2 ↩3

  6. Evatt DP, Juliano LM, Griffiths RR. A brief manualized treatment for problematic caffeine use: A randomized control trial. Journal of Consulting and Clinical Psychology. 2016;84(2):113–121. 1日200mg以上とり、カフェインのとり方に問題があるとされる基準に当てはまり、減らす手助けを求めた67人(平均666.0mg/日)を、すぐに説明を受けるグループ(33人)と、約6週間後に受けるグループ(34人)に分けた試験(全文で確認)。訓練を受けた担当者が、マニュアルにもとづく1時間の説明を行い、持ち帰る冊子を渡しました。減らすか、やめるかの目標は参加者が決めました(71%が減らすことを選択)。手順は、1週目にもとの量の75%以下、2週目50%、3週目25%、4週目12.5%、5週目はカフェインが15mgを超える製品をとらず、1日50mg未満にする、というものです。減らすことを選んだ人がこの手順をどう使ったかは、確認できた範囲には書かれていませんでした。自己申告と唾液中のカフェインで、とる量の減少を確かめ、1年後まで、とる量のはっきりした増加は見られなかったとしています。著者らは、少しずつ減らす方法を、急にやめたときに起きる不快な離脱症状を減らすための方法と説明していますが、減らしているあいだの症状の経過は、この試験では測っていないとしています。追跡できた人が時間とともに減ったことなどを、著者らは限界として挙げています。 ↩1 ↩2 ↩3

  7. Sweeney MM, Meredith SE, Juliano LM, Evatt DP, Griffiths RR. A randomized controlled trial of a manual-only treatment for reduction and cessation of problematic caffeine use. Drug and Alcohol Dependence. 2019;195:45–51. 1日200mg以上とり、カフェインのとり方に問題があるとされる基準に2つ以上当てはまり、減らすかやめることを望んだ36人(平均755.2mg/日)の試験(要旨と方法の一部で確認)。6週間かけて少しずつ減らす手順を書いた冊子だけを使い、説明や支援は加えていません。受け取ってから7週後(終了時)と、終了から20週後に、自己申告のとる量と、カフェインに関わる困りごとが減っていたとしています。週ごとの減らし方の詳しい割合は、確認できた範囲にはありませんでした。 ↩

  8. Dews PB, Curtis GL, Hanford KJ, O'Brien CP. The frequency of caffeine withdrawal in a population-based survey and in a controlled, blinded pilot experiment. Journal of Clinical Pharmacology. 1999;39:1221–1232. 以前にやめたときの症状があったと申告した57人を、一度にやめる組(18人)、少しずつ減らす組(20人)、同じ量を続ける組(18人)に分けた、予備的な試験(要旨のみ確認)。一度にやめた組では6人(33.3%)が頭痛や疲れなどを報告し、少しずつ減らした組では、症状はほとんど報告されなかったとしています。少しずつ減らした組が5日かけて減らしたこと、統計的な解析が報告されていないことは、注釈1の総説の表によります。 ↩

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