記事: 好きだったのに、好きになれない。そんな時期の話

好きだったのに、好きになれない。そんな時期の話
昔はあんなに好きだったのに、今はなぜか手が伸びない。そういうもの、ありませんか。
私にはあります。思い返せば、たくさん。
たとえばサーフィン。
大好きで、毎日のように海に通っていた時期もあったほどです。それなのに、ここ数年(もしかしたら10年くらい)行っていません。
引っ越し、仕事、子育て。行きづらくなった理由を挙げれば、いくらでも出てきます。でも、たぶんそういうことじゃない。正直、自分でもよくわからないのです。
よくわからないのですが、振り返ってみると、一緒に海に通っていた友人たちが、どんどん上達していく姿を、すごいなと思うのと同時に、なんとなく羨ましくて。その気持ちが、少しずつ私の足を海から遠ざけたのかな〜と思ったり。
嫌いになったわけでは、決してありません。
本当は好きなのに、その気持ちを無理やり押さえ込んでいるような感覚でした。
ダンスもそうかもしれません。
始めた高校生の頃は、音楽が好き、体を動かすことが好き、見てもらうことが好き。仲間が好き。そんな感じでした。
大学生になって、本気でダンスに向き合う人たちを目の当たりにしてから、ダンスも少しずつ遠い存在になってしまった気がします。
遠ざかっているあいだも、友人の投稿や動画を見かけると、素敵だなあ、私もやりたいなあと思っていました。いちばん大きかった感情は、たぶん羨ましさです。
今振り返って気づくのは、比べることに何の価値もなかった、ということ。
もし仲のいい友達が同じことで悩んでいたら、私は迷わずこう言います。比べる必要なんてないよ。好きなことをやっている、それだけでとても魅力的だよ、と。
慰めでも共感でもなく、本心からです。うまいとか下手とかは関係なく、好きを続けていること自体がかっこいいと、今の私は知っています。
でも当時の私は、それを自分にだけは言ってあげられませんでした。
そんな時期を、私はこう過ごしていました。
無理に再開しない。心から「またやりたい」と思える日まで、好きを保存しておく。
そのかわり、「見る好き」は続けました。SNSで友人やプロの動画を見て、素敵だな〜と感じたり、友人のステージに足を運んだり。「一緒にやろうよ」のお誘いだけは、当時は少し遠慮していましたが。
ひとつだけ意識していたのは、好きだという気持ちに嘘をつかないこと。何かに言い訳をして「でも……だから私はやらない」とは決して言わない。やらない時期があるだけで、好きは好きのまま。
最近になって、面白いことに気づきました。
ダンスは、今も再開したいとは思いません。当時の私のダンスへの「好き」には、見てもらうことが含まれていて、今の私にはもう、ステージに立ちたい気持ちがないから。そのかわり、もっと音楽に包まれる環境に足を運びたい、ステージを観に行きたい、という欲がすごく出てきたように思います。
サーフィンは、できるならすぐにでも再開したい。あれは一人で海に向かうもので、誰かに見せるものではないから。物理的な事情が解消したら、またサーフィンを再開したいと思っています。
保存しておいた「好き」は、時間が経ってから、少しだけ形を変えて戻ってきました。
好きだったものを好きになれない時期は、好きが消えた時期ではないのだと思います。
もし今、楽しめなくなっている何かがあっても、無理に戻らなくていいし、手放さなくてもいい。「見るだけ」でも、「保存しておくだけ」でも、好きは好き。その気持ちにだけは、嘘をつかないでいてほしいなと思います。
いつか戻りたくなる日が来るかもしれないし、そうじゃないかもしれない。どちらでも、ちゃんと好きの続きなんだと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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