記事: 「生理痛で早退します」が言えなかった

「生理痛で早退します」が言えなかった
以前の職場で働いていた頃、生理痛がひどくて早退しようか迷ったことが何度もありました。
痛みで仕事に集中できない。立っているのもしんどい。できれば少し早く帰って横になりたい。
でも、そのたびに「生理痛で早退します」とは言い出せませんでした。
腹痛、と言うことはできる。でも、その言葉だけだと、どこかで「体調管理ができていない人」に見られてしまいそうな気もしていました。
かといって、生理だと伝えたところで、男性の上司にどこまで理解してもらえるのかもわからない。
仕事を休むほどではない。でも、いつも通りに働けるわけでもない。
その曖昧な場所にいることが、いちばん苦しかった気がします。
当時、同じチームには、生理のタイミングになると遅刻する部下がいました。本人は「腹痛」と言っていましたが、私はなんとなく、生理と重なっているのかもしれないと思っていました。
男性の上司をはじめ、その部下の遅刻に不満を持つメンバーは少なくありませんでした。
毎回遅刻をすること。周囲がフォローしなければならないこと。実際に私もフォローに入っていました。仕事への影響があることはわかる一方で、「本人にも言えない事情があるのでは」と思うと、遅刻だけを見て責めることには抵抗がありました。
とはいえ、遅刻によって周囲の仕事に影響が出ていたことも事実です。
でもある日、自分自身が生理痛で早退しようか迷ったとき、その部下のことが頭に浮かびました。
もし私が早退したら、上司はどう思うだろう。私まで「生理を理由に仕事を抜ける人」と思われないだろうか。そして何より、自分はあの部下とは違う、と思いたい気持ちがあることに気づきました。
私はきちんと働いている。私は迷惑をかけないようにしている。私はちゃんとしている。そう思いたかったのだと思います。
でも、生理痛のつらさは、外から見ただけではわかりません。痛みの強さも、経血量も、その日の仕事への影響も人によって違う。毎回遅刻することを、ただ「仕方ない」で済ませられるわけではないけれど、本人が相談できなかった背景まで、私はちゃんと想像できていただろうかと思います。
「腹痛」とだけ伝えることで、かえって自己管理の問題のように受け取られてしまうこともあります。
一方で、「生理です」と言うことにも、ためらいがある。
誰にでも知ってほしいわけではない。必要以上に説明したいわけでもない。ただ、体調が仕事に影響するかもしれないことを、必要な相手には伝えられるようでありたい。
その線引きは、今でも難しいです。
ただ、きちんと状況を整理して伝えることで、理解しようとしてもらえたこともありました。
最初から完璧にわかってもらえなくても、言葉にしないままでは、相手に想像するきっかけすら渡せないのかもしれません。
職場で生理の話をどこまでするかに、ひとつの正解はないと思います。
開示したい人もいれば、したくない人もいる。毎回説明したくない人もいます。
だからこそ、生理だと明かさなくても、体調が悪いときに早退や休憩を相談できること。誰かの事情を、すぐに怠慢や自己管理不足だと決めつけないこと。そのほうが大事なのかもしれません。
あの頃の私は、本人にも事情があるかもしれないと思いながら、仕事を回す側の事情を優先していました。
今なら、もう少し違う聞き方ができたかもしれません。
「何か困っていることはある?」と。
事情をすべて説明しなくても、困ったときに声を上げられる職場。そんな場所が増えたら、我慢を続ける人も少し減るのかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
